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2010年11月17日 (水)

76歳の少年

昨日、長野県の橘自然農園に行ってきた。
炉バルLOで仕入れている有機野菜を生産している農園だ。

パンケーキで有名なbillsの玉子はここから仕入れていたり、有機農法の世界では知る人ぞ知る存在の北沢社長。
氏が営むその場所に、僕はどうしても行きたかった。
直感的に、行きたかった。


往復5時間、滞在3時間の強行軍で僕らは長野に向かった。

高速を飛ばし、碓氷の紅葉、浅間山、北アルプスの遠景を目にしながら農園に向かう。


高速を降り、ワインディングロードを30分走り、
広大で長閑な畑、懐かしい薫りの母屋に着いた。

そこには76歳の「少年」が待っていた。

北沢徳重氏。
僕の拙い文力では氏のプロファイルを語れないので割愛するが、そこにいたのは紛れもない「少年」だった。

日に焼けた、艶のある肌。
曇りのない眼差し。
屈託のない笑顔。

僕は一発で、この「少年」と話がしたくなった。


テーブルの上いっぱいに有機野菜、自分で育てた鶏、漬け物、白米、そして玉子。
それらは、単なる美味しい食材ではない。
「少年の宝物」そのものだと思った。

「少年」は語る。
『俺は昔は石屋だった。でもな、後生にな、大切なものを残していきたかったんだよ。それが農業だった。だから60歳過ぎてから始めたんだ』
『日本は必ず食料で苦労する時期が来る、そう考えたのはガキの頃だった。口の中に入っていくもんに何故みんな注意しねえんだ?何故そこに手間暇かけねえんだ?何故そこに国は支援しねえんだ?不思議じゃねえか?』
『だけど苦難の連続だったな。肩書きもねえ、実績もねえ俺は受け入れられなかったよ』

氏曰く、地元じゃ「変人」と言われているらしい。
たしかに従来の農業関係者からしたらその氏の考え方は、時に受け入れられないだろう。

でも、僕からみたら変人でも何でもない。
氏の言葉は「正論」なのである。

僕は学がないので理論だててそのことは判断できない。
だが、氏の言う「美味しいモノを作る努力を惜しまない」「人様の口に入るモノも命をかけて作る」「日本の食料文化を正しいものにしたい」「その道を後生に残したい」という意志は、僕に突き刺さった。


そして、その言葉以上に、
北沢じいさんのその「少年」に、僕は惹かれた。


沢山のご馳走をいただいた後、畑に一緒に行った。

その景観は圧倒的だった。
「見て見ろ、俺の畑だけ、緑色してねえか?」
真冬の佐久の大地に広大に拡がる畑が、土色と緑色のコントラストでクッキリ別れていた。
「これが命ある野菜なんだよ」


僕は足下の、生き生きと育ったミニ人参を土から引っこ抜いた。
「見て見ろ、その葉っぱ」
その葉は、完全な左右対称で、コンピュータで描いたように数学的にも美しいデザインだった。
「これが有機で作った証拠だ。農薬散いたらこうはならねえ」

命深いものは、美しいんだ。


名残惜しくも、東京に帰らなければならないぼくらは、予定時間を2時間過ぎて橘自然農園を後にした。
北沢のじっちゃんは、その目をキラキラさせながら言った。


「いつでも来てください。やっぱ作る人と売る人はこうやって直接会わねえといけねえんだ」

胸に響いた。
忘れてはいけない言葉。
じっちゃん、ありがとう。
会えて本当に良かった。
沢山の宝物、いただきました。


必ずここにまた来ます。
今度は友人を連れてきます。
皆に、じっちゃんの話を聞かせてください。
一緒に発泡酒を飲みながら。

Img_5759


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本当は、もっともっと書きたい事があるのですが、何度書いても僕の文筆力じゃ伝えられなかったんです。中途半端な文で申し訳ない。
でも、そこに行って感じたことはどうしても書きたかったんです。

北沢社長、そして橘自然農園の有機野菜はとても生命力のある野菜です。そして単純に美味しい。
我々炉バルLOではこの野菜を皆さんにもっともっと届けたい、そう考えています。

健康な野菜を食べて、健康な日々を一緒に送れたら幸せですね。

「この野菜を皆さんに食べていただきたいな」
とう一番シンプルな答え。
実現に向けて、僕らは動こうと思います。


マネジャー・龍

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