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2010年11月10日 (水)

カシスソーダ

昔の話である。

僕は20歳の時に、バイトで音楽業界に入った。
あるメジャーレーベルの宣伝部だった。

その採用担当者がとても綺麗な女性で、僕は少し好きになった。
彼女がいた僕は、あくまでちょっと好きになった(笑)

時は流れ、僕はそこを1年で辞めて同業他社で働き出した。
その採用担当者とも25歳くらいの時に会っただけで、
その後、連絡をとることもなかった。
連絡方法は知っていたけど。


昨日のことだ。
もう25年くらい友人関係の石井君が店に来てくれた。
石井君は当時、メジャーレーベルで一緒に働いていた仲間だ。
彼とは5年ぶりの再会。嬉しい再会だ。
「3,4人で飲ませてください」
そう言った彼は誰が来るとは言わなかった。

少しして店の扉が開いた。

そこには、20年前と全く変わらない、その採用担当の女性が立っていた。

「久し振り、懐かしいね」

その笑顔は本当に、何も、変わっていなかった。


石井君は時々その女性と連絡を取っている仲。
バイト当時、僕が彼女に好意を寄せているのを知っていたから、
サプライズを仕掛けたのだそうだ。

サプライズにもほどがあるよ。

珍しく、僕は少し、慌てた。


鼻の奥の方が、むずむず、甘酸っぱくなった。

甘酸っぱく、そして懐かしく、、、

少し切ない気持ち。

ロックンロール。

「少し胃が疲れているから」
そういった彼女に、カシスソーダを僕は作った。
少し薄めの、カシスソーダ。


今から25年前、当時人気絶頂だった佐野元春のライブ。
チケットは超プレミアだった。
その採用担当者と僕は一緒に佐野元春のライブを観た事がある。

市ヶ谷から神奈川県民ホールまで、
その女性と一緒に焦って向かった思い出。


それが唯一のその女性とのデートだった。


思い出は変わらない。色あせない。
自分が変わっていなければ、何も風化しない。
外見は少々変わったとしても、
その内側は、変わらないでいることが出来る。


ただ少し、甘酸っぱくなるだけ。


ロックンロール。

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コメント

こんにちは、龍さん(^O^)/
先日、飲みに行ったときに聞いた彼女かしら⁉
よかったですねd(^_^o)
龍さんが照れながら話してくれたのを思い出します。
いろんな人とコレからも出逢いたいと思います。
楽しく食べて、飲んで、好きなことをして生きられたら最高ですよね(^з^)-☆

投稿: keiko | 2010年11月10日 (水) 15時19分

えー、先日のお話の女性ではないです(汗)

でも出会いは奇跡ですね。
どんな一日を過ごしても次の朝は来るのだから、
転がるなら「前転」していきたいですね。
Like a Roling Stone.

投稿: 龍 | 2010年11月11日 (木) 13時36分

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