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2011年1月

2011年1月 6日 (木)

感謝

人の縁とは数奇なもので、
2年前、一人の男と知り合った。

Hというその清々しい青年は人気クラブ所属のJリーガー。
恵比寿のレストランで初対面だったのだが、最初の印象は、
「ホントに好青年」
「娘の婿にしたい」
と思うような素晴らしい青年だった。
(おいら、娘はいないけど)

彼に誘われて(&お願いして)何度か試合を観に行った。
勝ったときも負けたときも、僕はメールをした。
ー返信不要ー
と閉めた僕の戯言にも、彼は必ず返信メールをくれた。
「次も頑張ります!」
という言葉で閉められたメール。

今年になって、彼は少し変わった。
彼は本当に精力的に、
いや、倒れてもいいやというほどに、走っていた。
今年はキャプテンも任されて、
だが恐らくそれだけの理由ではなく、
とにかく、悲壮なほど、走りまくっていた。

夏の暑い日に、彼は店に遊びに来てくれた。
ちょうど代表に初めて選ばれるちょっと前だったと思う。
「少し痩せた?」
と聞くと、
「うん、ちょっと体脂肪が落ちました」
と言っていた。
周りに気を使い、キャプテンの重責を担い、
後輩を引き連れてご飯に誘い、
少々根を詰めすぎじゃないかな、と思っていた。

彼所属のクラブは、今期、不甲斐ない成績でリーグ戦を終えた。

彼は、日本を離れ、ドイツへ渡る決意をした。

彼は、責任感の強い男だ。
過去、海外に渡った先輩達は日本できちんと実績を残し、所属クラブへの責任を果たしたうえで行ったのに対し、彼は彼がリーダーシップを取った中ではクラブはいい成績を残せなかった。そんな状態で海外へ行く事に対し、彼は悩んだのだと思う。

でも彼は、海外行きを選んだ。
自分の可能性を信じて。
成長するために。

自らの強い意志で海外移籍を選んだのに。
彼は移籍記者会見で、泣いていた。
今まで彼に携わった人々への、様々な想いの交錯。

彼は本当にいい男だ。優しい男だ。
時々、僕はその彼の優しさがトップを目指すアスリートにとってはもしかしたらマイナスかなと思っていたが、最後に彼は自分の意志を貫き海外挑戦を選択した。多くの感謝を胸にしまい、多くの責任を背に背負い、その優しさはそのままで、彼はドイツに渡る。

「移籍します」
というメールが彼から来た後、
僕はまだ返信メールを送れない。
どう書いていいのか、わからない。
「ありがとう、これからもよろしく」
そんな言葉しか浮かばない。
でもたぶん、どんなに考えても、それに尽きるんだよな。

「ありがとう。そして世界で戦え!」

まずはアジアカップだね。遠く日本から応援しています。

                   親愛なるH君へ

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